Roots of Japan

富士山

「富士山」ってどんな山?

日本の象徴として広く知られる「富士山」。写真を見たことがある人、電車の中から見たことがある人、登ったことがある人。様々な形で「富士山」を見かける人は多いと思います。

では一体、どのような歴史が刻まれているのでしょうか。

静岡県と山梨県に跨る日本最大の活火山で、標高は3776.24m。平地との気温差は20度にもなります。また2013年に世界遺産に登録されました。最高峰は「剣ヶ峰」と言い、日本で一番高い山として有名です。

古来より、「富士山」に対する信仰(富士信仰/浅間信仰)が息づく霊峰(神体山、神が宿るとされる山岳信仰のなどが根付く山)として神聖視されています。「富士山」の噴火を鎮静化するため、神格化した浅間大神を木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)と同一視し、お祀りして「浅間神社」となりました。主祭神は父神の大山祇神や姉神の磐長姫である場合も。静岡県富士宮市の「富士山本宮浅間大社」を総本山としており、全国に約1,300社も建立されているのです。

日本のシンボルとしても信仰の対象としても非常に愛されている「富士山」ですが、いつ頃から現在の形になったのでしょうか?

起源は約70万年前、現在の「富士山」の位置に「小御岳(こみたけ)火山」が活動を開始しました。同じ時期に「愛鷹(あしたか)山」も活発に活動しており、大きな活火山が並んでいたのです。今でこそ噴火せずにいる「富士山」ですが数百万年前の遥か昔、富士山周辺は火山活動が活発な地域だったのです。

そして今から約10万年前、「小御岳火山」と「愛鷹山」の間に「古富士火山」が新たに活動を始めます。現在の「富士山」の土台であり、爆発的な噴火が特徴で、大量の溶岩などを噴出します。「小御岳火山」と「愛鷹山」が溶岩などをせき止めることで高さが増していき、標高3,000mに達する大きな山体を作ったのです。

その後また、長く沈黙期間が続きます。「新富士火山」の活動が始まるのが約1万年前、前回と同じ噴火口からの噴火。溶岩流が主体となります。この「新富士火山」の活動が現在の「富士山」を作り上げたのです。以降も活発に活動し、一番新しい噴火である1707年の宝永の噴火までの1万年の間に100回もの噴火を繰り返したと言われています。

こうして今、私達の知る「富士山」は円錐型(いわゆる成層火山)になったのです。建築物などは放置すれば劣化、また人災や天災に巻き込まれて無くなることもありますが「富士山」のように信仰が強く残る山などは掘削などもされないので、後世まで雄大な姿を見せてくれるのです。

それでは「富士山」を最初に登頂したのは誰でしょう?

「富士山」の登山史は伝説的な部分が多いので、諸説存在すると言われていますが、663年に呪術者であった「役 小角(えん の おづの)」が流刑された伊豆大島を夜毎、密かに抜け出して「富士山」を登ったという伝説が残っています。また「富士山開山の祖」とも言われており、「世界初の登山」としてマルセル・クルツ著の「世界登頂年代記」にも記載があるのです。また今では健康な人であれば誰でも登山が出来ますよね。しかし、1872年までは女人近世が敷かれており、女性は2合目までしか登れなかったのです。これは古来より山そのものが女神と考えられており、女神の嫉妬を避けるためとされていますが、別の説では「女性には霊がつきやすい」ので荒修行が困難であると言われています。そんな中、1832年に女性が初めて登頂します。名前は「高山たつ」、まだ女人禁制が敷かれていましたが、髪を切り男の姿へ身を変えて挑みました。

そして現代になり男性も女性も、日本人も、世界の人々も「富士山」の山頂を目指すようになりますが多くの登山者から「富士山」を守るため様々なルールがあるのです。

①動植物(虫も含む)の採取禁止 ②溶岩や石も持ち出し禁止
貴重な生態系に影響を及ぼす可能性があります。これくらい…と思っていると生態系を壊す犯人になるかもしれません。また溶岩や石に関しては移動も禁止です。「富士山」は霊峰であると先述しましたが、ひとつひとつ神様のものかもしれないと考えると持ち出せませんよね。持ち帰ったら災難続き…なんてこともあるかも。

③山小屋は事前予約が必要である
これは山小屋をホテルと考えたら分かりやすいのではないでしょうか?ホテルも事前に予約をしないと空きはありませんよね。また山小屋には山小屋のルールがあります。全員が気持ちよく過ごすためのものなので、きちんと守りましょう。

④弾丸登山(休息せずに夜通し登る登山)の自粛が求められている
様々な危険が潜んでいるためです。空気が薄くなるため、高山病になりやすく少し動くだけでもすぐに息があがってしまいます。また天気が急変した場合、休息をしていない疲れた身体は耐えられるでしょうか?

⑤トイレを利用する際の協力金(100円から300円)が必要
富士山のトイレは水洗ではなく、廃棄物を麓まで運んでから処理します。清掃要員の人件費などの維持管理費は年間で約5,000万円という莫大な費用がかかるのです。

⑥富士山保全協力金(1,000円)が任意で求められる
富士山の環境保全や登山者の安全対策(救護室の拡充・安全誘導員の配置等)に使われます。

⑦ゴミ箱はないので、持ち帰ること
「富士山」にゴミ箱はありません。例えばゴミ箱を設置した場合、平地までゴミを持って行かなければなりません。ということはトイレの維持管理費のように、それなりに費用がかかるのです。ペットボトルや食べ物の包装などは勿論のこと、使用したティッシュなども捨ててはいけません。

以上が特に分かりづらい「富士山」のルールです。他にもありますが「富士山」や山麓の大部分が国立公園であること、世界遺産であることを考えて頂ければ大丈夫だと思います。

約70万年前から現在に至るまで歴史を重ね、様々な人を受け入れた「富士山」。登山客も年々増加しており、その数は2020年の東京オリンピックに向けて更に増えると言われています。皆さんの足跡や踏みしめる山肌の一歩一歩がまた新たな歴史を「富士山」に刻んでいくのです。

筆者の考えやまとめとなります。諸説ありますのでご了承下さい。