Roots of Japan

知ればもっと好きになる。神秘の国、日本。

日本のルーツをわかりやすく解説。日本を、もっと深くもっと身近に感じてください。
今すぐ、奥深い日本文化の旅に出かけましょう。

着物

「着物」とは。
近年では日本における民族服ともされています。
明治時代(1868 - 1912)に日本へやってきた洋服(西洋服の略)に対して、「従来の日本の衣服」を「和服」や「日本服」とも言い、「着物」という言葉にも置き換えられるようになりました。
「着物」とは「着る物」の意味でしたが、時代が進み頻繁に洋服を着るようになると「着物から「着る物」という意味は薄れ、「和服」を指す言葉として使われています。

しかし、世界では「和服」よりも「着物」が浸透していますよね。
これは16世紀頃、日本人が衣服のことを指して呼んだ「着物」がヨーロッパで知られるようになりました。そして現在ではヨーロッパに限らず色々な国で認知され、使われるようになったのです。

それでは日本における民族服「着物」の歴史はどこにあるのでしょうか。
キーワードは「小袖(こそで:日本の伝統的衣装のひとつ)」、奈良時代に原型が生まれ、平安時代初期までは上流階級の人達の下着でした。
では小袖はどのように変化していくのか、時代ごとに見てみたいと思います。

≪飛鳥・奈良時代(592 - 794)≫
古代、日本は中国からの影響を強く受けていました。遣隋使や遣唐使から色々な文化や宗教を中国から学びました。もちろん服装もそのひとつです。
役人や豪族などの身分の高い者の服装は鮮やかで立派なものなっていきました。
小袖は上流の人達の下着であると同時に庶民の働き着だったのです。

≪平安時代(794 - 1185)≫
遣唐使は廃止され、徐々に日本独自の服装へ移っていきました。この時代の女性が着用する十二単と言われる服装は、正式名称は「唐衣裳装束」「女房装束」と呼びます。何枚も袿(うちぎ:着物のひとつであり、貴族の装束に用いられる)を重ねているもので、その重さはなんと20kg!!
今でも京都などでは「十二単」などの着付けが体験出来るお店があるほど、人気が高い装束なのです。
男性の服装は「束帯(そくたい)」や「狩衣(かりぎぬ)」と呼ばれていて、現在でも神社に勤めている神主さんは祭礼時、狩衣を身に着けています。

≪鎌倉・室町時代(1185 - 1573)≫
しかし平安時代後期になってくると雅やかな服装は徐々に廃れ、武士が力を持つ時代へと移り、戦闘などに適した実用的な服装へと変化していきました。
男性は直垂(ひたたれ)という服装を身に着け、現在でも大相撲の行司などが着用している姿が有名です。
女性の服装は簡素化され、平安時代で履いていた袴などは省略されるようになります。平安時代までは下着であった小袖は表着として着用され、その上に袿や単(ひとえ:女性用の衣装の中では最も大きく作られている)を羽織るようになりました。

この小袖が現在の着物の原型となるのです。

≪安土桃山時代(1573 - 1603)≫
服装は簡素化され、女性は小袖の上に打掛(うちかけ:女性用着物のひとつ)を羽織るのみとなります。これまでは織ることで服装に柄を出していましたが、加えて生地を染めること、刺繍を施すことで多彩さや華麗さが増していきました。
男性の服装は肩衣袴(かたぎぬばかま)が主流になります。女性同様、小袖の上に肩衣と袴を着用したもので、武士の正装とされていたのです。

≪江戸時代(1603 - 1868)≫
江戸時代になると経済発展とともに町人が力をつけ、新たに文化が発展していきます。
下着であった小袖は時代を経て、人々の基準の服装となります。裕福な町人は鮮やかな色彩と金糸などを使用し華やかで手の込んだ小袖を作りました。
この頃に小袖は完成したと言われており、現在の着物と殆ど変わらない形だったのです。
女性の服では長い袂(たもと)が流行したことにより婚礼衣装の振袖が誕生しました。
現代では若い女性の格式の高い礼装であり、成人式や結婚式などで着用されることが多くあります。

≪明治・大正・昭和時代(1868 - 1989)≫
明治時代(1868 – 1912)に洋服が入ってきてから、西洋の人々と接する機会の多かった人々の間では洋服は定着しました。しかし、まだまだ日常生活は着物が基本だったのです。
しかし、大正12年(1923年)に起きた関東大震災では、身体の動作を妨げる構造である着物を着用していた女性の被害が非常に多く出てしまいました。これ以降、女性にも洋服が浸透していったのです。

現在では着物よりも気軽に着られるとして浴衣があげられます。
湯帷子(ゆかたびら)が原型とされ、平安時代から存在していました。安土桃山時代(1573 - 1603)から寝巻きや夏場の風呂上りに肌の水分を吸い取る目的で広く着用されるようになり、江戸時代(1603 - 1868)で庶民の愛好する服装のひとつとなりました。
「ゆかたびら」を略して「ゆかた」なのです。
現代でも夏のイベントなどでは浴衣姿が多く見られ、柄や色、素材などは様々。湯上りに着ていた、寝巻きに着ていた時代の人から見たらビックリしますね!!

日常的に和服を着る方はあまり見かけませんが、冠婚葬祭で着用する機会は多く特に結婚式では着物を着ると格式が高くなると喜ばれることも。
観光地などではレンタル着物店もあり、着物を着て街歩きが可能なのです!着付けが分からない、着物を持っていない方でも体験できます。

先述の通り、本来着物は普段着でした。今でこそフォーマルなイメージが強いですが、もっと現代の生活で着られるようにデニム生地や伸縮・撥水性に優れた生地を使用し、洋服や革靴と合わせやすいデザインの着物を販売しているお店もあります。
他に昭和初期以前のアンティーク着物にレースの襟を使い、パンプスやブーツを履いた従来の着物の形にとらわれない着こなしが普段のちょっとしたおしゃれに人気なのです。
日本を飛び越えて、海外のファッションにも取り入れられていることも!日本人の目線にはない素敵な着こなしでとても嬉しく感じます。
2020年に東京で開催されるオリンピックに向けて世界196ヵ国々を表現した着物を作っている呉服屋さんもあるのです。是非、自分の国はどんな着物か探してほしいと思います!

日本にお越しの際は、着物を着て歩いてみて下さい!
海外で、その国の伝統的は服装を身に着ける。
これだけで非日常が味わえること、間違いなしです。

筆者の考えやまとめとなります。諸説ありますのでご了承下さい。