Roots of Japan

知ればもっと好きになる。神秘の国、日本。

日本のルーツをわかりやすく解説。日本を、もっと深くもっと身近に感じてください。
今すぐ、奥深い日本文化の旅に出かけましょう。

屋久島

皆様、屋久島はご存知でしょうか。
1993年12月11日に姫路城・法隆寺・白神山地と共に日本で初めての世界遺産として登録されました。
また、屋久島と白神山地は日本でも非常に人気があるスタジオジブリのアニメーション映画「もののけ姫」の舞台にもなっています。

面積は504.29km、人口は13,437人(2010年の調査)、鹿児島県の島です。
島の90%が森林であり、1,000m~1,900mの山が連なっており、中でも中央に位置する宮之浦岳(みやのうらだけ)は1,936mで日本百名山の1つ!

山々は屋久岳と呼ばれ、洋上のアルプスという異名も持っています。
特に、宮浦岳・永田岳(ながただけ)・栗生岳(くりおだけ)は屋久島三岳とされ山頂には”一品宝珠大権現”がお祀りされていており、古来より信仰の対象でした。
また樹齢が長いことで知られる屋久杉もご神木として崇められていたのです。

では一体いつから存在し、豊かな自然を作っているのでしょうか?

始まりは1,500万年前、中生代白亜紀の頃まで遡ります。
まだ海底にあった屋久島ですが、中生代の末期に地殻変動が起こり、海底に亀裂が生じます。
そこから花崗岩が隆起し、新生代の造山活動を経て、海面に岩塊の一部が現れました。

人々が生活を始めた時期は、まだ明らかではありませんが島内数か所に存在する縄文・弥生遺跡には約7,000年前の暮らしの跡が見られるのです。

現在の屋久島の豊かな自然は人間が住んでいても、壊さないように大切にしているからこそ…ですが歴史の中では大規模な伐採が行われていました。

初めて伐採されたのは約500年前、豊臣 秀吉の命令により京都方広寺の建築材を調達するためでした。
江戸時代(1603 - 1868)になると、財政難に陥った島津家が年貢である米の代替品として課した年貢が屋久杉であり、1640年になると本格的な伐採が始まります。
これ以降、幕末までに伐採された屋久杉は全体の5~7割になるといわれていますが、その跡には小杉という若い屋久杉(樹齢1,000年未満)が誕生し、それが現在の屋久島の豊かな自然を作っているのです。
しかし、1924年に天然記念物への指定を始め国立公園に編入されるなど伐採は続けられていました。
一切の伐採が禁止されたのは1980年代に入ってから保護運動に中で「生物圏保護区」に指定され、世界遺産登録への第一歩を築いていきました。

先述のように元々はご神木として崇められていた屋久杉。理由として樹齢の長さがあげられます。
一般的な杉の樹齢が500年程に対し、屋久杉は樹齢2,000年以上の大木も多くあります。その理由は屋久島が花崗岩で出来ていることにあるのです。
栄養の少ない花崗岩では屋久杉の成長も遅く、木目が詰まっています。
また、屋久島の気候は、その地形から海からくる湿った風が山にぶつかることで「月のうち、35日は雨」とされるほど大量の雨をもたらします。
これにより樹脂分が多くなることでバクテリアにも嫌われ、屋久杉は腐りにくくなっているのです。

有名なのは縄文杉、紀元杉。特に縄文杉の樹齢は4,000年以上という説や7,000年以上という説も!!
切株で有名なウィルソン株は約500年前に切られたといわれています。
そう、約500年前に豊臣 秀吉の命令により伐採されたとされている屋久杉の切株なのです。
しかし、腐ることなくその姿は人を惹きつけます。これこそ「ご神木」と言われる所以ではないでしょうか。

また、これらを巡るツアーなどもありますが、8~10時間程の登山をする必要がありますので参加する際は、体調に気を付けてくださいね!

では屋久杉以外の植物や、生息している動物をご紹介したいと思います。
屋久島はほぼ亜熱帯に属していますが冒頭であげた通り標高2,000m近い山々があるため亜寒帯に及ぶ多様な植物相が見られます。
日本最北端のガジュマル林や「ヤクシマ」の名を冠する数々の植物…また屋久島の植物は他の地域より小さいものが多く山野草や盆栽として鑑賞価値が高いとされているのです。
野生哺乳類はどうでしょう?
ヤクザルやヤクシカなどニホンザルやニホンジカの亜種として固有種が存在しています。
また古来より様々な鯨たちの回遊路であり、大幅に種類が減ってしまった現在でもイルカやクジラの姿は確認できるのです。

このように美しい自然と多様性に富んだ動植物を維持していくためには問題点も抱えています。
屋久島では3月~11月がオンシーズン、12月~2月がオフシーズンです。中でも大型連休(ゴールデンウィークやシルバーウィーク)では1日800人もの観光客が訪れています。

では一体どのような問題があるのでしょうか?

①トイレ容量オーバー
先に説明した通り、大型連休などではトイレにも長い行列ができてしまいます。また多くの人が利用することで悪臭やトイレの故障などの問題も発生しているそうです。現在では携帯トイレの導入等の取り組みを実施しているようですが、過剰利用や利用マナーの低下などの根本的な解決には至っていないのです。また野外でのトイレ痕が発見されるなど、自然にも悪い影響を与えています。

②荘厳な雰囲気の喪失
利用客増加に伴い、特定の興味がある地点での混雑がみられます。歴史がある場所なので「一目見たい!」というのは当然の感情です。ですが、ご神木ということも考えて静かに屋久杉の空気と向き合うのも良いのではないでしょうか?

③自然環境の保全
観光客の中にも屋久島の自然を大切に思っている方とそうでない方がいます。自分の興味だけで決められた道以外に踏み込み、その周辺の植生が荒廃してしまい、地面がむき出しになってしまっているのです。「自分1人、足を踏み入れるくらいなら大丈夫だろう」そう考える人もいるかもしれませんね。でもそう考える人が多くいるから荒廃している現状があるのです。

④安全管理
世界遺産登録後、メディアでの露出が増えたことで国内外からたくさんの人が縄文杉などを目指すようになりました。しかし、先述の通り8~10時間の登山…距離にして往復約20kmを歩くこともあるのです。簡単に行けると考えてしまい、軽装や体力が無い中での強行、時間ギリギリのスケジュール配分など非常に危険ですよね。安全意識の低い観光客が増えることで事故も頻発しています。今後、屋久島に行きたいと考えている方のためにも!楽しかったね、行って良かったね!と思える旅行にするためにも是非、安全管理は行って欲しいと思います。

受け入れる側が頑張って解消できる問題もあるかもしれません。ですが、そのためには利用客1人1人が意識することが重要なのではないでしょうか?

何千年も前から生物を育み、人々を見守ってきた屋久島。その神秘的な空気を壊さずに未来へ残し、これからも守っていきたいですね!

筆者の考えやまとめとなります。諸説ありますのでご了承下さい。